《安波賀春日神社参詣図(縁起絵)》
戦国大名朝倉氏の本拠地である一乗谷や、朝倉氏の鎮守である安波賀(あばか)春日神社などが描かれた参詣図(縁起絵)です。上部には、神社創建の由緒を描き、下部には境内の社殿や、安波賀の集落、足羽(あすわ)川、祭礼などの様子が描かれます。左下部分に注目すると、巨石にしめ縄がかかり、五色幣が立てられた箇所があります。その巨石の真ん中あたりに白蛇が描かれているのが見えます。
朝倉氏最後の当主義景(よしかげ)は、織田信長に敗れたあと、白蛇になって当主の館跡を守っている、という昔話が伝わっており、このことを反映した表現かもしれません。また、義景は巳年生まれで、蛇とはなにかと縁があるようです。
担当者からのコメント
当館は一乗谷朝倉氏遺跡から出土した遺物をおもに取り扱う博物館で、絵画作品はとても貴重です。大きな資料ではないので、よく目を凝らしてみていただく必要がありますが、本資料には蛇のほかにも春日神社の神使である鹿や狐、鳳凰・鬼・龍など様々な動物が描かれていて見所満載です。本資料は当館2階の基本展示室にて公開しています。
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