《蛇長春花文砂鉢》 伊藤春友、1873(明治6)年
明治6年開催のウィーン万国博覧会に出品された銅製砂鉢と同意匠の作品で、金沢の工人・伊藤春友の手による。銅まわりに蛇と長春花(コウシンバラ)を象嵌・彫金であしらい、足と把手部分は蘇鉄を象る。藩政期以来の伝統をもつ加賀の金工家が、明治という新しい時代の到来に挑んだ一つの成果と言えよう。
担当者からのコメント
鍍金によりきらりと光る蛇の目にご注目。怖そうに見えて、意外と愛嬌のある顔をしています。
長春花は不老長寿の意味をもつ吉祥画題であり、新年にふさわしいおめでたいデザインです。
2025年1月4日(土)より当館の常設展示室にて展示しますので、ぜひ蛇詣でにいらしてくださいね。
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