《葉桜》 山口華楊 1921年 絹本彩色・四曲一双 168.7×273.5㎝
山口華楊は、大正から昭和にかけて京都で活躍した日本画家。とりわけ、愛情溢れるまなざしで動物たちの姿を捉えた、気品ある作品で知られています。
SOMPO美術館は華楊の代表的作品を3点所蔵しており、そのうち2点が動物画、1点がここに紹介する四曲一隻屏風《葉桜》(1921年)です。
画面いっぱいにしだれ桜が枝を広げ、青々とした葉は深い陰影によって描写されています。その葉陰の草むらには、一匹の蛇の姿が。
微妙な色彩の諧調によって立体感が表現され、目元には金と青で細かな描写、背中にも精緻な着彩が施されています。
この華楊20代の若き頃の作品《葉桜》は、竹内栖鳳の推薦により翌1922年にパリで開催された「日本美術展覧会」に出品されました。
担当者からのコメント
生き物への温かいまなざしが感じられる日本画家です。じっくり見ると、小さな蛇の姿も細部までこだわって緻密に描きこまれています。
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