《うわばみ》(能島村上家伝来「ばけ物三十六歌仙」) 作者:不明 年代:江戸時代(後期か)
平安時代のすぐれた歌人36人、いわゆる「三十六歌仙」が詠んだ歌を「ばけ物」の内容に詠みかえた、手のひらサイズの「妖怪かるた」。
【読札】紀貫之
さくらちる/木の下風は/うわはみの/出るたひことに/雪そふりける
(桜が散る木の下の風はうわばみが出てくるたびに雪が降っている)
【本歌】紀貫之(『拾遺和歌集』六四)
桜ちる/木のした風は/さむからで/空にしられぬ/雪ぞふりける
(桜が散る木の下の風は寒くないのに空も知らない雪が降っている)
※桜が散っているのを雪が降っているように見立てた歌。
担当者からのコメント
海賊の末裔(※当時は萩藩の御船手組頭)が正月に遊んだミニミニ妖怪かるたです。
小さな札をよーく見てみると、うわばみは盃をくわえながら上を見上げていて、まわりには桜が散っています。
花見をしながらお酒を飲んでいるのでしょうか。
盃からこぼれ出るくらいなみなみと注がれたお酒。
…さすが大酒飲みの俗称でもあるうわばみですね!
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