《庭にいたうさぎ》 谷内六郎 昭和42(1967)年3月4日号
©Michiko Taniuchi
谷内六郎《庭にいたうさぎ》は、『週刊新潮』昭和42年(1967)年3月4日号表紙絵として描かれました。
谷内は、「縁先のガラス戸を開けるとうさぎがいた、白い雪をかむった下駄がゆうべのうちからうさぎになっていた。(中略)もう何年か前ぼくは奥日光の雪の雑木林で白い雪をかむった草履を見たのです、それが月日がたつにつれて草履のウサギが飛んでいたような記憶になってしまい、雪の中でたしかにうさぎをみたさっかくをおこします。」
と「表紙の言葉」に書いています。
谷内ならではの視点をとおして、冬景色の「うさぎ」をぜひご覧ください。
担当者からのコメント
谷内六郎(1921-81)は家族と共にたびたび横須賀を訪れ、1975年には観音崎公園にほど近い場所にアトリエを構えました。そうした縁から、1998年に遺族から『週刊新潮』の表紙原画約1300点をはじめとする膨大な数の作品や関連資料が寄贈されました。
当館では年4回開催するテーマ展示を通じ、谷内六郎の作品をさまざまな視点から紹介しています。
目の前には東京湾が広がる三浦半島屈指のロケーションに立地する、海沿いの美術館で、昭和のノスタルジックな雰囲気に癒される谷内六郎作品を、ぜひご覧ください。