《宇佐技》 竹内栖鳳 墨画淡彩 昭和4年頃作
栖鳳は犬や猫のほかに兎、猿、家鴨なども自宅で飼って写生したようで当館では兔のほかに家鴨を描いた作品も所蔵しております。
動物の生態をよく観察し写生することによって、「けものを描けば、その匂いまで表現できる」と言われた栖鳳ですが、習練の成果により本作では輪郭線を用いない付け立てで小気味よく描かれます。
説明的な描写がないことで、画面に余韻が広がり想像力をかき立てるような作品です。
担当者からのコメント
残念ながらウサギの表情は分かりませんが、小首をかしげているところから何かをじっと見つめているのでしょうか?
墨の濃淡で後姿の立体感を表し、どっしりしたお尻がキュートで、耳の内側の薄い桃色が妙に愛らしい。
あ~、どんな表情をしているのか気になります。