《染付 竹虎文 捻花皿》 伊万里 江戸時代(17世紀中期) 口径20.8㎝ 戸栗美術館所蔵
江戸時代初頭に日本初の国産磁器として誕生した伊万里焼では、虎の文様は17世紀中期からよく見られるようになり、幕末に至るまで定番のモチーフのひとつでした。竹林に棲むとされることから竹虎文としてあらわされるのが定番ですが、本作では虎の右方に竹の葉のみならず、筍を組み合わせています。同時代の竹虎文には低く身構えたポーズの表現も多いのですが、本作では尻尾をS字状に立て、後ろ足も跳ね上げるなど、溌溂とした様子を感じさせます。
担当者からのコメント
当館創設者 戸栗亨(1926~2007)は、寅年生まれ。そのため、虎が描かれたやきものを好み、すすんで蒐集しました。開館の際には、本作の虎文様を美術館のシンボルマークに選んでいます。 新年には、『古伊万里幻獣大全展』(2022年1月7日(金)~3月21日(月・祝)開催予定)にて本作をはじめ、虎の描かれた作品を多数出展いたします。是非、ご覧ください。