《けもの模様沈金三つ組杯》
朱漆塗に沈金を施した三つ組杯。明治時代の輪島塗です。見込にそれぞれ2頭の動物が描かれ、中央の杯には虎が登場しています。沈金とは刃物で文様を彫り、その溝に漆を擦り込み金箔などで着彩する技法で、毛並みには繊細な線彫りが認められます。爪や牙が獰猛な獣らしく描かれている一方で、水に遊ぶしぐさや大きな目がおどけた様子を強調しています。
担当者からのコメント
直径17センチほどの小さな円の中に活き活きと描かれています。本物の虎のように威厳たっぷりではありませんが、くりくりとした目に思わず愛着を抱いてしまいます。