《猛虎図》 竹内 栖鳳 1901年 絹本・彩色・軸装
1900年、パリ万博視察のために渡欧した竹内栖鳳(1864-1942)は現地の動物園で動物たちを写生し、帰国後に発表した作品では、欧州で初めて見たライオンの姿を真に迫る描写で描いて好評を博します。栖鳳は渡欧前から写生を重視していましたが、現地で写実的な西洋絵画を実見したことにより、以降は実物観察に基づく動物画などで新しい日本画の可能性を追求しました。本作「猛虎図」も帰国後に描かれた作品であり、岩上に鋭い目つきで身構える虎の緊迫した一瞬の姿が写実的に描かれています。一本一本まで綿密に描かれた毛並みの表現には動物画の名手と呼ばれた栖鳳の技量の高さが感じられます。
担当者からのコメント
2022年2月1日(火)~3月13日(日)の日程で開催する所蔵作品展「日本の近代美術と茨城の作家たち 冬から春へ(前期)」にて展示予定です。ぜひご来館ください。