新しい年がスタートしましたが、改めてアイエム読者に聞いた『2024年に見た展覧会で、一番良かった展覧会』を3回にわけてご紹介します。実際に展覧会に行った人だからこそわかる、会場の雰囲気やおすすめのポイントなど。他会場に巡回する展覧会もあるので、見逃した方は要チェック!
第1回(1月16日更新)特別展「はにわ」 / 田中一村展 / 物、ものを呼ぶ / デ・キリコ展第2回(1月23日更新)マティス 自由なフォルム / 塩田千春 つながる私(アイ) / 大吉原展 / ポケモン工芸展第3回(1月30日更新)宇野亞喜良展 / モネ 睡蓮のとき / 美しい春画 / 法然と極楽浄土
「教会の再現が素敵」「鑑賞後に心に残る」「素晴らしい作品が多い」国立新美術館「マティス 自由なフォルム」
マティスの「切り紙絵」に焦点を当てた展覧会。4.1×8.7メートルの巨大な《花と果実》は修復されて初来日となりました。
見逃した方は → 「マティス 自由なフォルム」(レポート)」
国立新美術館「マティス 自由なフォルム」会場
みんなの感想
最後の教会を再現した光を用いた展示にリアリティがあり遠方まで旅行しなくても現地の印象が伝わる工夫がされていたから。
作家のバイオグラフィを追体験出来るような整理された展示だったと思う。鑑賞後に心に残るものが多かった。
切り紙絵に焦点を当てて、花と果実やブルーヌードなど素晴らしい作品をたくさん拝見できました
マティスの切り絵メインで今までにない展覧会。教会の再現も素敵だった
「不思議な没入感」「終われば無くなってしまう」「繊細さと力強さが両立」大阪中之島美術館「塩田千春 つながる私(アイ)」
人気の美術家・塩田千春が出身地の大阪で、16年ぶりとなる大規模な展覧会を開催。糸を使った圧巻のインスタレーションは説明不要です。
見逃した方は → 塩田千春、大阪で16年ぶりの大規模個展 ― 大阪中之島美術館
大阪中之島美術館「塩田千春 つながる私(アイ)」会場
従来にない立体的な展示で、自分自身も作品世界に入っていくような不思議な没入感があった。さまざまな技法の大胆かつ、繊細な作品があり、観ていて飽きなかった
その世界に引き込まれる。そこの場所に行かなければわからない。行く価値のある展示。期間が終わったらその全ては無くなってしまう。
作品に対峙した際のインパクトがすごかった。美しいだけでなく、繊細さと力強さの両方に気圧された。
「作品の背景にある歴史」「再現した展示演出」「気づきが多い」東京藝術大学大学美術館「大吉原展」
広大な敷地で約250年に渡って続いた幕府公認の遊廓・吉原を多面的に考察。通りの両側に引手茶屋が並んでいた吉原をイメージしたユニークな会場構成も見応えがありました。
見逃した方は → 大吉原展(レポート)
東京藝術大学大学美術館「大吉原展」会場
美術作品の背景にある歴史だったり、人間の心情だったり、色々と考えることの多い展示だったから
展示数、海外保有作品の展示、吉原を再現した展示演出
気づきが多かったから
「親しみを感じられた」「素晴らしい技法」「とにかく楽しい」MOA美術館「ポケモン×工芸―美とわざの大発見—」
2023年3月に国立工芸館で開催されて以来、国内外を巡回している「ポケモン×工芸展」がMOA美術館へ。館内ではスタンプラリーも実施されました。
見逃した方は → 伝統の技で異色のタッグマッチ ― MOA美術館「ポケモン×工芸展」
MOA美術館「ポケモン×工芸―美とわざの大発見—」会場
身近なテーマで、敷居の高いイメージの工芸に親しみを持てたから
伝統工芸の素晴らしい技法でポケモンを表現されていて、本当に素晴らしかったです。過去にはあまり見たことのない、素晴らしい取り組みだと思いました。
とにかく美しかった
巡回情報
麻布台ヒルズギャラリー「ポケモン×工芸―美とわざの大発見—」2025年1月21日(火)〜5月11日(日)
麻布台ヒルズギャラリー「ポケモン×工芸―美とわざの大発見—」
「大堀哲記念ミュージアム・マネージメント推進賞」を受賞しました