鮮やかなケシの花柄「ウニッコ」をはじめ、ひと目で分かる強い個性を持つマリメッコ。今では食器や文具など多くの生活用品でそのデザインを楽しむ事ができますが、もとはテキスタイルをプリントして婦人服を仕立てる会社でした。
創業者はアルミ・ラティア(1912-1979)、当時は珍しい女性経営者です。自身もデザインの教育を受けていましたが、才能あるデザイナーをマネージメントとする能力がピカイチ。ウィットに富み、文才もあったため、彼女自身がマリメッコの顔といえる存在でした。
実はアルミ・ラティアは、マリメッコの商品には花柄は使わないと明言していましたが、マイヤ・イソラ(1927-2001)が1964年にデザインしたウニッコは採用されました。現在ではフィンエアー(フィンランド航空)の機体にまで使われているウニッコの、ちょっと変わったエピソードです。
1章「INTRODUCTION はじめに―マリメッコとは?」、2章「TIMELINE marimekko 1951-2016 マリメッコの歩み」マリメッコが世界的な人気ブランドになったのは1960年代から。アルミ・ラティアは広報の大切さを熟知しており、『ヴォーグ』や『ライフ』などアメリカの雑誌に記事が載ると、国際的な評価は高まっていきました。ジョン・F・ケネディの妻であるジャクリーンがマリメッコを愛用していた事も良く知られています。
アルミ・ラティアは1979年に亡くなりましたが、現在でもマリメッコの独創性は健在。2000年以降は、過去に発表したプリント・ファブリックを現代風にアレンジした商品も展開しています。
特に女子の人気を集めそうな展覧会。もちろんミュージアムショップではマリメッコのグッズも取り扱っています。
3章「THE ART OF DESIGN デザインの芸術」、ミュージアムショップ全国巡回の本展は高知、島根、兵庫(西宮)とまわって、東京が4会場目。この後は新潟が決定しており、その他の巡回先は随時発表されます。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2016年12月16日 ]■マリメッコ展 に関するツイート