「オバケ」と「パンツ」と「お星さま」。“勇気”“成長の過程”“ファンタジーの世界”等々の解説はともかく、こどもたちが大好きなテーマであることは間違いありません。
3つのテーマでアーティストが作品を作り、こどもらしく遊べる企画展。壁に吊るされた布やつけひげから1点を選び、身につけて変身するゼロゼロエスエスの変身コーナーからスタートします。
まずは変身!身につけた1点は持ち帰れます続いて、アニメーション作家の松本力さんによるオバケ。松本さんが作ったアニメが流れる部屋には、数10年間倉庫に眠っていたというダンボール箱もあります。中をのぞくと、オバケが見えるでしょうか?
松本力さんの「オバケはどこにいるか」の展示室星空が回るプラネタリウムのような部屋は、デタラメ星座協会のお二人が担当。サイコロを振って、オリジナルの「デタラメ星座」をつくります。星座の名前も場所も、サイコロまかせ。自由に星座をつくるわけでは無いのが、逆に新鮮です。
作った「デタラメ星座」は、1~2週間ほどで投影されます展示室全体が明るい絵本のようなコーナーを担当したのは、はまぐちさくらこさん。中央にある、大きなクッションのような“はだかちゃん”は、のぼって遊んでも可。壁に書かれた言葉を読んでいっても楽しくなります。
展示室いっぱいに描いたのは、はまぐちさくらこさんトラフ建築設計事務所が担当したのは、美術館のようなオバケ屋敷。絵の裏側にも人が入れるため、名画を見ていると話しかけられたり、いつのまにか絵の一部が人の顔になっていたり。
下を向いて歩いていくと目玉が追いかけてくる橋を通って、最後のコーナーに進みます。
美術館のようなオバケ屋敷はイチオシ。常設で作って欲しいです最後も変身コーナー。布を使って服をつくったり、人がつくった服と自分の顔を合成した写真を撮ったりできます。
最後の変身コーナー変身用の布小物を補充したり、デタラメ星座をコンピューターに登録したりと、運営する側も大変そうですが、こどもの目線で考えたとても意欲的な企画展。会場内での撮影も可能です。こんな楽しい企画を美術館で楽しめる今のこどもたちが、ちょっぴり羨ましいです。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2013年6月28日 ]