IM
    レポート
    リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝
    国立新美術館 | 東京都
    華麗なバロックの世界
    オーストリアとスイスの間にあるリヒテンシュタイン侯国。人口3万人強の小さな国ですが、国家元首のリヒテンシュタイン侯爵家が持つ美術コレクションは約3万点と、個人としては英国王室に次ぐ規模です。本展覧会では139点の名品が来日しています。
    天井画も豪華な「バロック・サロン」
    ラファエッロ・サンティ《男の肖像》(左)
    ピーテル・ブリューゲル2世(ピーテル・ブリューゲルに倣う)《ベツヘルムの人口調査》(左)と、ヤン・ブリューゲル2世(ピーテル・ブリューゲルに倣う)《死の勝利》
    ペーテル・パウル・ルーベンス《クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像》(右)
    ペーテル・パウル・ルーベンス《占いの結果を問うデキウス・ムス》(左)と、ペーテル・パウル・ルーベンス《勝利と美徳 ─ 「デキウス・ムス」連作より》
    アンソニー・ヴァン・ダイク《マリア・デ・タシスの肖像》(左)と、アンソニー・ヴァン・ダイク《ナッサウ=ジーゲン伯ヨハン8世の肖像》
    レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン《キューピッドとしゃぼん玉》(左)
    フランク・ハルス《男の肖像》(右)
    ポンペオ・ジロラモ・バトーニ《分かれ道のヘラクレス》(右)
    ウィーン郊外ロッサウにあるバロック様式の宮殿「夏の離宮」。リヒテンシュタイン侯爵家のコレクションの一部は、避暑用の住まいとして建てられたこの宮殿で公開されています。「ようこそ、わが宮殿へ」という印象的なキャッチコピーは、これに由来します。

    展覧会序盤のハイライトは、宮殿に倣った「バロック・サロン」です。家具調度品、タペストリー、彫像はもちろん、天井画まで飾って、空間全体で華やかなバロックの世界を感じてもらおうという試みです。作品のキャプションも別の場所で紹介する徹底ぶりで、なかなか意欲的な演出です。


    「バロック・サロン」

    500年以上にわたって蒐集された、このコレクション。中核を占めているのはバロック美術ですが、前後の時代も含めて幅広く所有しています。

    展覧会の「名画ギャラリー」では、ルネサンス期から新古典主義までの作品を紹介しています。ラファエッロ(ラファエロ)、クラナッハ、レンブラント、ハルスら、巨匠の絵画が続々と登場します。


    「名画ギャラリー」

    バロックを代表する画家といえば、もちろんペーテル・パウル・ルーベンス。リヒテンシュタイン侯爵家は36点のルーベンス作品を所蔵しており、質・量ともに世界有数のコレクションといえます。

    本展にはルーベンス作品が10点も来日しており、展覧会メインビジュアルの少女《クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像》もそのひとつです。ルーベンスが5歳の長女を描きました。

    まっすぐにこちらを見つめる、青い瞳のクララ。実子の肖像のために派手な演出は無く、親子の関係が素直に伝わってくるような作品ですが、残念ながらクララは12歳で亡くなってしまいました。


    《クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像》から、ルーベンス・ルーム

    アンソニー・ヴァン・ダイクはルーベンスの右腕だった人物。イギリスに渡って宮廷画家となり、洗練された肖像画で一時代を築きました。

    《マリア・デ・タシスの肖像》は、ヴァン・ダイクの代表作のひとつです。描かれているのは帝室郵便局長の娘で、19歳のマリア。当時のフランスで流行していた形の美しいドレスと自然な表情はとてもチャーミングです。


    アンソニー・ヴァン・ダイク《マリア・デ・タシスの肖像》

    毎年、数え切れないほどヨーロッパの名画が来日している昨今において、これだけ初来日の作品が集まった展覧会はかなりレアケースでしょう。華麗なバロック宮殿を六本木で疑似体験、西洋美術好きなら見逃せません。(取材:2012年10月2日)

    リヒテンシュタイン物語

    池田理代子 (著)

    平凡社
    ¥ 1,000

    料金一般当日:1,500円
     → チケットのお求めはお出かけ前にicon

     
    会場
    会期
    2012年10月3日(水)~12月23日(日・祝)
    会期終了
    開館時間
    <企画展>
    10:00~18:00
    ※当面の間、夜間開館は行いません。
    ※入場は閉館の30分前まで
    <公募展>
    10:00~18:00
    ※美術団体によって、異なる場合があります。
    ※入場は閉館の30分前まで
    休館日
    ※毎週火曜日休館
    住所
    東京都港区六本木7-22-2
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    公式サイト http://www.asahi.com/event/liechtenstein2012-13/
    料金
    【当日】一般 1,500円 / 大学生1,200円 / 高校生800円
    【前売/団体】一般 1,300円 / 大学生1,000円 / 高校生600円
    【豪華オリジナルグッズセット券】3,000円
    ※チケットおよび、豪華オリジナルグッズセット等の詳細はホームページをご覧下さい。
    展覧会詳細 リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝 詳細情報
    おすすめレポート
    ご招待券プレゼント
    須田悦弘展
    応募する
    広重ブルー
    応募する
    学芸員募集
    【八尾市立歴史民俗資料館】学芸員募集(歴史担当)/※要学芸員資格 [契約社員/正社員登用制度あり]◆年休120日以上・未経験も歓迎! [八尾市立歴史民俗資料館]
    大阪府
    荻窪三庭園 施設管理運営スタッフ募集! [荻窪三庭園]
    東京都
    つくばエキスポセンター受付スタッフ募集 [つくばエキスポセンター]
    茨城県
    つくばエキスポセンタープラネタリウムスタッフ募集 [つくばエキスポセンター]
    茨城県
    国立西洋美術館特定研究員(特定有期雇用職員)公募 [国立西洋美術館]
    東京都
    展覧会ランキング
    1
    国立西洋美術館 | 東京都
    モネ 睡蓮のとき
    開催中[あと87日]
    2024年10月5日(土)〜2025年2月11日(火)
    2
    麻布台ヒルズ ギャラリー | 東京都
    ポケモン×工芸展 ― 美とわざの大発見 ―
    開催中[あと78日]
    2024年11月1日(金)〜2025年2月2日(日)
    3
    東京都美術館 | 東京都
    田中一村展 奄美の光 魂の絵画
    開催中[あと15日]
    2024年9月19日(木)〜12月1日(日)
    4
    日本科学未来館 | 東京都
    特別展「パリ・ノートルダム大聖堂展 タブレットを手に巡る時空の旅」
    開催中[あと80日]
    2024年11月6日(水)〜2025年2月4日(火)
    5
    国立科学博物館 | 東京都
    特別展「鳥 ~ゲノム解析で解き明かす新しい鳥類の系統~」
    開催中[あと100日]
    2024年11月2日(土)〜2025年2月24日(月)