特別展「雪舟伝説―「画聖」の誕生―」記者発表より 京都国立博物館 福士雄也 主任研究員
日本美術史上、もっとも重要な画家の一人とされる雪舟(1420-1506?)に焦点を当てた大規模展が、来春、京都で開催される。
雪舟は備中国赤浜(現在の岡山県総社市)生まれ。幼い頃に上洛して相国寺に入り、禅僧として修行を積むかたわら、周文に画を学んだ。
後に大内氏の庇護を得て、応仁元年(1467)には明に渡り、3年後に帰国。宗元画を学んだ幅広い画風と、骨太で力強い筆墨に特色ある作品を残した。
雪舟は古くから「画聖」と仰がれるなど偉大な存在とされ、現代においても《天橋立図》(京都国立博物館蔵)をはじめ、6件が国宝に指定。これは狩野永徳の4点を凌ぎ、個人としては最多件数を誇る。
今回の展覧会は、プレスリリースで「『雪舟展』ではありません!!!」と大きくうたわれているように、雪舟の作品を紹介するだけでなく、近世における雪舟受容を辿る企画。
長谷川等伯、狩野探幽、曾我蕭白、伊藤若冲らの作品と比べながら、雪舟が「画聖」になった過程を明らかにする。
もちろん、雪舟による国宝6件も勢揃い(第一章「雪舟精髄」で一堂に展示)。会期中いつ行っても、6作品全てが鑑賞できる(山水長巻のみ、会期中巻き替えあり)。
出展総件数は約90件(うち国宝7件、重要文化財13件)。30名を超える画家たちが登場する。
特別展「雪舟伝説 ―「画聖(カリスマ)」の誕生―」は京都国立博物館 平成知新館で2024年4月13日(土)~5月26日(日)に開催。料金は未定。
巡回はせず、京都国立博物館だけでの開催となる。