立川駅北側に誕生した新街区「GREEN SPRINGS」内に設けられた「PLAY!」。当初は4月にオープンする予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止の影響で、開業が遅れていました。
施設の核といえるのが、絵とことばをテーマにした美術館「PLAY! MUSEUM」です。企画展は新しい視点でクリエイターやアートを紹介。常設展は年間を通して著名な絵本作家にスポットを当てます。

PLAY! 入口
開館記念の企画展は「tupera tuperaのかおてん.」。絵本を中心に活躍中の人気クリエイティブ・ユニット、tupera tupera(ツペラツペラ)による、「顔」をテーマにした展覧会です。
tupera tuperaがブレイクしたのが、絵本『かおノート』です。会場ではtupera tuperaによる絵本原画を展示するほか、大きな顔が並ぶ「かお10(テン)」、「床田愉男(ゆかだゆかお)」の顔遊びなど、会場はまさに顔だらけ。
来場者も「かおシール」で変身し、「かおてん.」の一部になって楽しんでもらうなど、作品を鑑賞するスタイルの展覧会とはだいぶイメージが違います。

企画展「tupera tuperaのかおてん.」から「かおカオス」
「かおてん.」会場の奥から始まるのが、常設展の「エリック・カール 遊ぶための本」。世界的なベストセラー絵本『はらぺこあおむし』で知られる、エリック・カールの展覧会です。
人気のエリック・カールは何度も展覧会が開催されており、このコーナーでも以前ご紹介した事がありますが、今回は原画の展示だけでないユニークな構成。エリック・カールの絵本を「くぐる」「きく」「うごかす」など10の遊び方に分け、絵本をおもちゃに見立てています。
迷路のような会場には、エリック・カールの鮮やかなグラフィックが各所にあしらわれているほか、筆や絵の具などの画材、制作時に着用したスモックなど、貴重な資料も並びます。

常設展「エリック・カール 遊ぶための本」会場
併設するミュージアムショップ「PLAY! SHOP」では、展覧会に連動したグッズや、PLAY! MUSEUMロゴをあしらった商品を販売。カフェ「PLAY! CAFE」でも、展覧会に関連して「かおカレー」など楽しいフードを提供します。
上階には「PLAY! PARK」も設置、こちらは6月19日(金)にオープンします。MUSEUMが「静」なら、PARKは「動」。思いっきり身体を動かせる「大きなお皿」と、小さな子ども用の「小さなお皿」をはじめ、絵本が読めるライブラリーや、アニメーションを上映するシアターなどがあります。
「PLAY! PARK」は、当初の計画では風船遊具などが設けられる予定でしたが、新型コロナの影響で中止に。しばらくの間は「サイレント・ライブ」など、暫定プログラムが実施されます。

「PLAY! PARK」は6月19日(金)オープン
施設は緑豊かな昭和記念公園と、道路を挟んだ向かい側。「GREEN SPRINGS」の屋上展望スペースからは、天気が良い日なら富士山まで見渡せるとの事。丸一日かけて楽しめそうです。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2020年6月9日 ]