太古の昔から人間は、動物をえがく/動物とえがく/動物でえがく、といった表現を続けてきました。本企画は、絵に描くだけはでない、詩や音楽や、演劇、踊りをも包括した〈動物をえがく〉ことについて、人類学・芸術学・生物学・比較文学の研究者たちが世界をフィールドにおこなった調査や、アーティストたちの思索をたどりながら「動物と人とのあいだ」の回路をひらく展覧会です。
私たちはなぜこんなにも動物に惹かれ、憧れるのでしょうか。本物に遭ったら怖いけれど、クマのぬいぐるみは大切な友だち。半人半獣のモンスターゲームに自分を重ね、ミツバチの羽音から音楽を生み、遠洋のクジラの一生を想う……。動物は人間の情動やイマジネーションの源泉であり、動物と人間のあいだには数多の神話や寓話が生まれ、その物語の続きに私たちは暮らしています。かたや多くの人々は、狩猟採集の生活から離れ、人間が中心/頂点であると考え、自らの生きる環境をも壊す事態を引き起こしています。
今こそ人間は「動物の一部(一員)である私たち」という感覚を取り戻し、他の動物たちと交歓する必要があるのではないか—。本展では、その問いのもとに、アーティストたちが制作した絵画やインスタレーション作品、研究者たちが調査地で採集した資料、映像などを展示し、そのまじわりの様相や可能性を体感していただきます。また会期中にトークイベントやワークショップも開催し、動物と人とのあいだに起こる身体的・精神的変化も考察します。
【本展協力の研究者・アーティスト(五十音順) 】
五十嵐大介(漫画家)、 石倉敏明(人類学者)、大石侑香(エスノグラファー)、大小島真木(アーティスト)、小田隆(画家、イラストレーター、大学教員)、ケイトリン・コーカー(ダンサー、人類学者)、鴻池朋子(アーティスト) 、齋藤亜矢(認知科学者)、管啓次郎(詩人)、菅原和孝(人類学者)、竹川大介(人類学者、漫画家)、長坂有希(アーティスト )、永沢碧衣(アーティスト)、西澤真樹子(なにわホネホネ団 団長、大阪市立自然史博物館外来研究員)、丹羽朋子(人類学者)、根本裕子(陶芸家)、長谷川朋広(ゲームクリエイター、アートディレクター)、盛口満(作家、イラストレーター、理科教師 )、山口未花子(人類学者)、吉田ゆか子(人類学者)
【関連書籍情報】
展覧会協力の研究者・アーティストたちによる書籍『〈動物をえがく〉人類学 ー 人はなぜ動物にひかれるのか』が2024年12月下旬、岩波書店より出版されます。
【関連イベント】
01 トークイベント 動物と人間のあいだを考える
私たちはなぜ動物に惹かれるのか、なぜ動物をえがき、歌い、踊るのか。本展協力の研究者と出品アーティストたちが語り合います。
日時:1月25日(土)13:30~16:30
会場:セミナールームAB
講師:五十嵐大介(漫画家)、石倉敏明(人類学者)、大石侑香(エスノグラファー )、大小島真木(アーティスト)、小田隆(画家、イラストレーター、大学教員)、鴻池朋子(アーティスト)、菅原和孝(人類学者)、丹羽朋子(人類学者)、根本裕子(陶芸家)、長谷川朋広(ゲームクリエイター、アートディレクター)、山口未花子(人類学者) ※一部のゲストはオンライン参加
参加費:1,000円
定員:50名(申込先着)
申込方法:12月25日(水)10:00より表示される生活工房webサイトの申込フォームからお申し込みください
02 ワークショップ ジェンダーとは?からだを動かして、楽しく学ぼう
近年特に注目されている「ジェンダー」とは一体何でしょうか?からだを動かして、“動物”や“スーパーヒーロー”になりきることで、ジェンダーについて考えます。身体を使った遊びを通じて、ジェンダー差別に気づいたり、自身をとりまくジェンダーの問題を探ってみましょう。
日時:2月8日(土)13:30~16:00
会場:セミナールームAB
講師:ケイトリン・コーカー(ダンサー、人類学者)
参加費:1,000円(保護者は無料)
定員:20名(申込先着 小学3年生以下は保護者同伴)
申込方法:12月25日(水)10:00より表示される生活工房webサイトの申込フォームからお申し込みください
協力:JSPS学術知共創プログラム「身体性を通じた社会的分断の超克と多様性の実現」、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所基幹研究人類学「社会性の人類学的探究:トランスカルチャー状況と寛容/不寛容の機序」
03 ワークショップ バリ舞踊にみる自然-動物や植物で躍るからだ
バリ島の舞踊には、動物や植物、水や風をもとにした表現がたくさんあります。そうした自然の躍動はどのように踊りになるのでしょう?人物学者によるトーク、舞踊家の実演、参加者の体験もおこないます。
日時:2025年 2月9日(日)13:30~15:00
会場:セミナールームAB
講師:吉田ゆか子(文化人類学者)、アナック・アグン・グデ・イスワラ・マンデラ(舞踊家)
参加費:1,000円(保護者は無料)
定員:20名(申込先着 小学3年生以下は保護者同伴)
申込方法:12月25日(水)10:00より表示される生活工房webサイトの申込フォームからお申し込みください
協力:東京外国語大学フィールドサイエンスコモンズ(TUFiSCo)
04 対談イベント 動物をめぐる対話1―動物を狩ること、えがくこと
4万年以上前、洞窟になぜ動物がえがかれたのでしょう?狩る・狩られるという交わりの中で、絵画や音楽、踊りなどの表現が生まれたこと、そして「動物になる」、「動物と会話をする」ことの意味について語り合います。
日時:3月8日(土)13:30~16:00
会場:セミナールームAB
講師:齋藤亜⽮(認知科学者)、竹川大介(人類学者、漫画家)、山口未花子(人類学者)
参加費:1,000円
定員:50名(申込先着)
申込方法:1月25日(土)10:00より表示される生活工房webサイトの申込フォームからお申し込みください
05 対談イベント 動物をめぐる対話2―それぞれの環世界、共に動物である私たち
人間中心ではなく、「人間以上のもの」を尊重するマルチスピーシーズの思想や、そこから動物と人間の関係性を再構築し、作品を創作する実践などについてお話しします。
日時:3月9日(日)13:30~16:00
会場:セミナールームAB
講師:石倉敏明(人類学者)、管啓次郎(詩人)、長坂有希(アーティスト)
参加費:1,000円
定員:50名(申込先着)
申込方法:1月25日(土)10:00より表示される生活工房webサイトの申込フォームからお申し込みください
06 ワークショップ 動物とふれる、つくる、えがく【二日間通し参加】
いつもとはちがう動物との関わりを考える2日間。1日目はゲッチョ先生(盛口満氏)の骨の授業。剥製作りの実演を見学し毛皮や羽根などに触れてみます。2日目はクマや魚やシカなどの骨・皮・血を活かして、絵を描いたり皮小物をつくったり創作体験をします。
日時:4月12日(土)13:00~17:00頃、4月13日(日)10:00~15:30頃
会場:ワークショップルームAB
講師:石倉敏明(人類学者)、永沢碧衣(アーティスト)、西澤真樹子(なにわホネホネ団団長、大阪市立自然史博物館外来研究員)、長谷川朋広(ゲームクリエイター、アートディレクター) 、盛口満(作家、イラストレーター、理科教師)、山口未花子(人類学者)
参加費:3,000円(保護者は無料)
定員:20名(申込抽選 小学3年生以下は保護者同伴)
申込方法:1月25日(土)10:00より表示される生活工房webサイトの申込フォームからお申し込みください
申込締切:3月31日(月)
06 ワークショップ 動物とふれる、つくる、えがく【4月12日のみ参加】
日時:4月12日(土)13:30~17:00頃
会場:ワークショップルームAB
参加費:1,000円(保護者は無料)
定員:20名(申込抽選 小学3年生以下は保護者同伴)
申込方法:1月25日(土)10:00より表示される下の申込フォームからお申し込みください
申込締切:3月31日(月)
参加費:3,000円(保護者は無料)
定員:20名(申込抽選 小学3年生以下は保護者同伴)
申込方法:1月25日(土)10:00より表示される生活工房webサイトの申込フォームからお申し込みください
申込締切:3月31日(月)