《花嫁衣装》 ロシア/コムソモリスクナアムーレ サマール・ユリア・ディミトルヴナ制作 2007年収集 撮影:城野誠治(東京文化財研究所)
ロシア連邦アムール川流域に暮らすナーナイの花嫁衣装です。
後身頃の一番上には、ナーナイの人々が信仰する龍が向かい合って刺繍されています。
龍には5本の爪があるのがおわかりいただけるでしょうか?
ちなみに、前身頃は全体が龍のウロコ文様になっています。
担当者からのコメント
ナーナイの花嫁衣装は重ね着するようになっています。この衣装は、その一番上に羽織るものです。
腰の部分には、生命の樹と呼ばれる樹と、そこにとまるたくさんの鳥の文様が刺繍されています。
これから生まれてくる子孫たちを鳥で表わしためでたい文様です。
刺繍された部分には型紙が入っているので、少し盛り上がっています。
ナーナイの人々は魚皮鞣しの技術に優れていることで知られたおり、かつてはこの型紙も魚皮で作られていました。