《龍虎図》(右隻) 雲谷等爾 不詳(江戸時代 17世紀) 紙本墨画
雪舟の画風を継ぐ雲谷派2代・等益の次男、等爾による龍虎図屛風より、右隻の龍を紹介します。中国の仏教書『碧巌録(へきがんろく)』に「龍吟(ぎん)ずれば霧起る」と説かれ、自然の理(ことわり)の象徴とされてきた龍。
この龍の表情には、人知を超える力をもつ霊獣としての威厳は見られず、空を見上げる丸い両眼の描写からは、ユーモアさえ感じられます。
担当者からのコメント
龍が巻き起こした風雲の表現は、墨が屏風の下部まで垂れている所もあり迫力満点です。