《色絵龍文花器》 河本五郎 昭和48年(1973)
愛知県・瀬戸市を拠点に活躍した陶芸家の河本五郎は、伝統的な轆轤技法ではなく、タタラと呼ばれる板作りの技法などを駆使して新たな表現を確立しました。中国の青銅器に範を得ながらも、焼き歪みを計算しつつ組み上げられたフォルムは、現代的な感覚を伴う造形となっています。また龍文は闊達な刻線で描かれ、躍動感と力強さを感じさせます。このような個性的な表現は「五郎調」と呼ばれ、昭和を代表する陶芸家として一世を風靡しました。
担当者からのコメント
のびやかな筆致とひょうげた表情が目にとまり、赤と緑の色絵も鮮やかで新年の門出を祝うのにふさわしい作品として干支アワードにエントリーさせていただきました。12月16日~1月28日まで豊川市桜ケ丘ミュージアム 企画展「AICHIやきものざんまい―愛知県陶磁美術館の名品をあじわいつくす―」でご覧いただけます。