《飾り凧 龍》 佐野至(さのいたる/1927年~2010年) 平成11年(1999年)
当館の新年を飾る縁起物として制作された、縦220㎝、横172㎝の飾り凧です。
画面いっぱいに描かれた青い龍は迫力満点ながらも、驚いたような表情がどこか愛嬌を感じさせます。中国陶磁器にみられる龍の図様を参考にしたのでしょうか。また、胴体と足とで鱗の描きわけがなされており、足の鱗の模様はかつて甘木地域で栄えた紺絞り〝甘木絞り〟の鹿の子柄を思わせます。
担当者からのコメント
作者の佐野至は福岡県朝倉市(旧甘木市)出身の版画家で、ふるさと甘木・朝倉の風景、歴史、民俗を自身の作品のテーマとし、多くの作品を残しました。その作風は素朴で温かく、観る人の心に郷土を思い起こさせる魅力があります。
佐野至の版画は、朝倉市郡の史跡・寺社等の案内陶板の他、さまざまな場所で活用されています。朝倉にお越しの際は、是非探してみてください。