《臥龍》 川端龍子 1945年 大田区立龍子記念館蔵
《臥龍》は、大画面の作品を追求した日本画家・川端龍子が描いた龍図で、高さは2.5メートル、幅は5メートルにせまる大作です。画面いっぱいに龍が表されていますが、みなぎるような神通力が失われ、力なく横たわっています。この作品は、1945年10月の終戦直後に発表されたもので、龍は疲弊しきった当時の日本を表しています。そして、龍の傍らには珠が描き込まれています。これには、龍が再び珠を手にとって、天へと舞い昇っていくよう龍子の戦後復興への思いが込められています。
担当者からのコメント
龍の子を名乗った川端龍子の龍図です。終戦の年の日本を象徴的に龍で表した龍子渾身の一作です。世界に紛争の絶えない現代においても、強いメッセージ性を放っています。