《兎》 堀江尚志 1934(昭和9)年作 ブロンズ
岩手県立美術館
盛岡市出身で、大正から昭和初期にかけて活躍した堀江尚志(1897-1935)は、東京美術学校(現:東京藝術大学)で彫刻を学びました。彼はロダンなどのフランスの近代彫刻に追随することなく、日本の古い仏像、エジプトやギリシャの古代彫刻に学ぶことにより、日本人独自の洋風彫刻の表現を模索しました。端正で内省的な作風で知られ、舟越保武ら次世代の彫刻家にも大きな影響を与えました。本作は形態が単純化されていて、堀江の抽象への志向がうかがわれます。
「大堀哲記念ミュージアム・マネージメント推進賞」を受賞しました