《兎置物》 四日市萬古
大正~昭和初期にかけて、四日市萬古焼には独自の作風を持った作家が現れました。これは、その中の一人、陶彫の代表的作家であった瀧野清二郎の作品です。石膏型で成形し、背中で貼り合わせて作られています。子ウサギ位の大きさ(高さ約24cm)であり、隅々まで刻み込まれたきめ細かい毛並みや、ピンと立った柔らかそうな耳。精緻な造形に加え、鼻や耳、指先のうっすらとしたピンク色に、血の通った生き物のような質感が表現されています。
担当者からのコメント
「愛くるしいウサギ」というより…、耳をそばだてて、背中を丸め、天敵の気配を察知しているみたいですね。