《月宮図鏡》(げっきゅうずきょう) 中国 唐時代(8世紀) 直径15.6cm・重さ889g
円形の鏡を満月に見立て、鏡背には「不死」・「再生」にまつわる古代中国の月の伝説が表されています。
鏡の右下では、後足で立ちあがった兎が前足に竪杵を持って壺中を搗(つ)き、不老不死を司る西王母(せいおうぼ)のために「仙薬(=不死の薬)」を作っています。
兎の上にいる冠を着けた女性が西王母とみられ、兎を指示するように両手を掲げています。
左側の羽衣を纏う女性は姮娥(こうが)とみられ、夫の羿(げい)が西王母より貰った不死の薬を盗んで月へと逃げたため、左下の蟾蜍(せんじょ)=ヒキガエルとなった様子を描いています。
中央には、月に生えているという桂の木「月桂(げっけい)」(切っても切口が再生するといわれる)が描かれています。
担当者からのコメント
古代鏡展示館(兵庫県立考古博物館加西分館)では、例年1月から3月、その年の十二支が描かれた古代中国鏡1面を展示しています。
今回の「干支 卯(う/ボウ)」展では、この月宮図鏡1面を展示し、鏡と干支・十二支を特集してご紹介します。展覧会の会期は令和5年1月2日(月)~3月12日(日)です。
詳しくは、古代鏡展示館ホームページをご覧ください。また、当館のブログでは学芸員が展示品や収蔵品等に関連して少し掘り下げた記事を更新しています。こちらも合わせてご覧下さい。