《青花 兎図銀錠形向付》 景徳鎮窯 明時代・17世紀 大阪市立美術館蔵(岩田久子氏寄贈)
古染付と呼ばれる、明時代17世紀に景徳鎮民窯でつくられたと考えられている懐石用のうつわで、絵替わり5枚セットのうちの1枚です。日本の茶人からの注文品と言われるだけあって、丸くない形や、口縁の釉薬が剥がれている点などに茶人の好みを感じさせます。しかし、うさぎの目には隈取があり、どちらかというとブサカワ。当時の日本人の可愛い好みとはちょっと違うようです。その中国の味付けが舶来の高級品の証でもあったのかもしれません。
担当者からのコメント
なんだかマンガやイラストのような兎たち。真剣な顔をして、なにか相談をしているのでしょうか。雲のような形をした霊芝というおめでたい茸は、兎に咥えられているだけでなく、お腹やお尻からも吹き出しているよう。霊力をもった特別な兎なのかしら…と想像が膨らみます。