菱野 大野重幸
大野重幸(1900~1988年)は、都城市出身の日本画家です。同郷の山内多門や川合玉堂に師事し、帝展や日本美術院を中心に活躍しました。
この作品は、福岡県朝倉市菱野にある日本最古の三連水車を背景に、牛と馬による水田の農耕を描いたものです。大野は戦後農業を営みながら制作しており、生涯、鳥や牛などの動物や風景など身近な自然をテーマに描き続けました。
担当者からのコメント
牛や水車による画面構成に、地域の伝統と自然の融合を見つめる作者の思いを読み取ることができます。水面や空の彩色には銀箔が使われており、農耕の穏やかな情景の中にも生命の輝きが感じられます。