家庭 スダルシャン・シェッティ(インド) 1998年 撮影:Gondou Makoto
スダルシャン・シェッティは、インド生まれの美術作家です。
本作は、裸の赤ん坊が牛と遊具につかまり、まるで浮いているかのようにつくられた不思議な彫刻作品です。
インドでは、牛を神の乗り物として神聖視します。しかしその牛に不安定に組み合わさった赤ん坊をみると、安らかな場所であるはずの「家庭」にひそむあやうさを暗示しているかのようです。
担当者からのコメント
鼠の所蔵品に乏しく昨年は不参加でしたが、当館はインドを含むアジアの近現代美術専門館、牛の所蔵品には恵まれています。
数ある牛関連の作品のなかでも、立体で見事な牛が表現されたこの作品を選びました。
牛そのものの立派なたたずまいに反し、作品全体は浮遊感や不安定さを感じさせるもので、独特の存在感に圧倒される、当館らしい作品だと感じています。
この作品は、新年1月2日より、アジアギャラリー(常設展示室)に展示しておりますので、ぜひ実物をご覧になってください。(広報担当者)