近づく嵐 コンスタン・トロワイヨン 1859年 油彩・麻布 山梨県立美術館蔵
空には暗雲が立ち込めているものの、地面は乾いた色をしている。雨はまだ降っていないようだ。近づく嵐を避けるため、牛も人も家路についている。荷車を牽く馬に連れ添うように、帽子と青いスモックを身につけた男性がおり、その後方には女性らしき姿も見える。農地では女性は男性とともに働いていた。そのことは干し草つくりの作業においても同じだった。子供も健やかに成長しているようだ。荷車に積まれた干し草の大きさ、牛の立派に生育した様子、次世代を担う子供の存在。さまざまな要素によってこの土地の豊かさが示されている。
※現在は貸出中。
担当者からのコメント
トロワイヨンは、牛を描いたことで当時から名声を得た画家。
毛並みの質感までも分かる表現がすごい!