秋の山路 竹久夢二 夢二郷土美術館蔵
岡山出身の詩人画家・竹久夢二が大正4年(1915)頃に描いた日本画の作品で、大きな黒い牛とともに歩く女性の後ろ姿が描かれています。牛と人がともに生活する素朴で身近な情景から、どこかノスタルジックな印象を受ける作品です。描かれている女性は農作業に携わっていた夢二自身の母のイメージがしのばれるようで、夢二の創作の礎がふるさとの記憶にあることがわかります。「文字の代りに絵の形式で詩を書いて見た。」と語るように心の詩を作品に描いた夢二らしい、情趣に溢れる作品です。
担当者からのコメント
《秋の山路》は現在夢二郷土美術館 本館で開催中の企画展「松田基コレクションⅩ 夢二名品展 特別公開生誕100年藤田喬平のガラス」にて展示しております。
2021年3月7日までの開催となりますので、ぜひご来館いただき実際の作品をご覧ください。