青花四牛文皿(せいかしぎゅうもんさら)
中国・明時代末期の天啓年間頃(17世紀)に景徳鎮民窯(中国・江西省)で作られた染付磁器で、日本では「古染付」と呼ばれる。王朝へ貢納するために作られた景徳鎮官窯の作品と異なり、民間向けに作られたためか牛や草花の絵柄は簡略であり、薄手の器の口縁部は「口禿」と呼ばれる釉薬の剥がれがみられる。
一見するとやや粗雑ともとれる作品だが、その素朴さが日本では愛玩され、日本からの注文で角形や動物・富士山など様々な形状の作品(「茶器古染付」と総称される)も作られた。
担当者からのコメント
四匹の牛が伸び伸びと草原にたたずむ様子が描かれ、官窯の精緻な絵付けとは異なった奔放な絵付けが生み出す景色は、ずっと眺めていても飽きさせない。素朴さに美を見出す日本人の感性に馴染む優品である。