シルクロード:ポクスンド湖のほとりの村から山道を登る 長倉洋海 2008(平成20)年
長倉洋海は1952年、釧路市生まれ。紛争地を中心に世界各地を訪ね歩き、そこに生きる人びとを見つめ続ける写真家です。この作品は5年に渡って取材を重ねたという壮大な連作より、ヒマラヤ最古の寺を訪ねる旅のなかで撮影された1点。標高3,700メートルにある村の人びととヤクの群れが、青く澄んだ湖を背に岩山を上ってくる姿がとらえられています。「昔、村で疫病が流行り、大勢の村人が死んだ時、災いよけとして黄金の仏像を湖底に沈めたという伝説を聞いた」と、長倉は記しています(長倉洋海『人間交路 SILK ROAD』毎日新聞社、2008年)。
担当者からのコメント
この写真作品からは、さまざまな存在に等しく注がれる作者の眼差しが感じられます。ミュージアムコレクションをきっかけに、自然や動物と人間との関わりに思いを馳せることができたら素敵ですね。