駆けだした牛 井上三綱 1956年
躍動感あふれる牛が生き生きと描かれており、ラスコーやアルタミラ洞窟の壁画の牛に通じるものがあるでしょう。作家は坂本繁二郎に師事し小田原にアトリエを構えた画家・井上三綱(1899-1981)。三綱の作品は一見すると油彩画のようにもフレスコ画のようにも見えます。これは絵具を塗り重ね層状にし、それを引っ掻いたり削り落としたりする独特の技法で描かれているためで、その特徴的なマチエールが三綱作品の最大の魅力です。
担当者からのコメント
牛というとゆっくりしたイメージがあるかもしれません。
2021年に開館30周年を迎える平塚市美術館。この駆けだした牛のように勢いある年にしたいですね。