文鎮 十二支「子」13代鈴木盛久
盛岡市先人記念館13代鈴木盛久(1896~1976)によるねずみの文鎮です。
鼻先からおしりまでは約6.5㎝、高さは約3.5㎝と手のひらの中にすっぽり収まる大きさ。畑や庭のすみで見つけた小さな野ねずみを思わせるサイズです。
鉄瓶で知られる南部鉄器の文鎮なので、小さいながらずっしりとした重量感があります。
大きな耳、長いしっぽ、背中からおしりにかけての丸いフォルム。ねずみの姿をすっきりと単純化しています。
おしりに見える小さな凹凸は、13代盛久の銘です。
鈴木家は、代々御鋳物師(おいもじ)として盛岡藩に仕えた家柄で、13代も15歳から父の下で研鑽を積み、数え29歳で襲名。茶の湯釜をはじめ多くの優れた作品を残し、昭和49年(1974)には南部鉄器職人として初めて「記録等の措置を講ずべき無形文化財(いわゆる人間国宝)」に指定されました。
現在、鈴木家は「鈴木盛久工房」として、初の女性南部鉄器職人となった15代盛久が活躍していることでも広く知られています。
担当者からのコメント:文鎮・ペーパーウェイトとしての使用もさることながら、机の片隅に置き、いつも撫でて愛でたいそんな可憐なねずみです。
なお、盛岡市先人記念館では、同じく13代盛久による香合「ねずみ」を常設展にて公開中です。
よりデフォルメされたねずみのかわいらしさを是非ごらんください。