第24回 糸川孝一(浜田市世界こども美術館 学芸員)
広島市江波山気象館の脇阪さんからご紹介いただきました、浜田市世界こども美術館の糸川です。
当館は、1996年11月、次世代を担う子どもたちのための美術館として誕生しました。幼い頃から美術に触れることで創造力を養い、感性を育んでほしいとの思いで、開館以来、さまざまな展覧会を開催するとともに、創作活動にも力を入れ、「みること、つくること」の両方が楽しめる美術館です。
展覧会事業では、有名な芸術家や現代美術などを紹介するほか、世界中の子どもたちが描いた作品を展示し、年間6本前後の展覧会を開催。子どもたちがより親しみをもって作品に向き合えるよう、どの展覧会でもワークショップや工作体験コーナーなどのさまざまな仕掛けを用意しています。
また、創作活動では、平日は幼稚園・小学校の子どもたちを対象とした団体利用プログラム「ミュージアムスクール」を、週末には親子を対象とした身近な素材を使って自由に制作できる「ホリデー創作活動」を実施しています。
これからも「みること、つくること」の活動を通し、子どもたちにとってかけがえのない思い出となり、心豊かに成長していく糧となるよう展開していきたいと思います。
浜田市世界こども美術館
私のおすすめミュージアム
島根県立三瓶自然館サヒメル
緑溢れる国立公園三瓶山のふもとに位置する島根県立三瓶自然館サヒメル。三瓶山をはじめ、島根の自然の魅力を紹介する自然系博物館です。動物のはく製、化石、岩石などの実物標本も数多く展示しており、島根県の自然の成り立ちを深く学ぶことができます。
今回、私のおすすめミュージアムとして紹介させていただいた理由は、何といっても、工夫を凝らした展示です。ただ作品を展示するのではなく、五感を使って楽しむ仕掛けがあったり、映像の中に入り込むような体験ができるクイズコーナーがあったりと、小さな子どもから大人まで、幅広い世代の方が楽しみながら自然に親しむことができるような工夫が随所に見られる点です。同じミュージアムとして、工夫を凝らした展示手法はとても勉強になり、参考にさせていただいています。
この他にも、館内からバードウォッチングができるコーナーや大型望遠鏡を備えた天文台、プラネタリウムなどを上映するシアター、館の外に広がる草原など楽しさ満載で、朝から夕方まで一日を通して楽しめる施設です。四季折々の風情を楽しみながら、是非、島根県立三瓶自然館サヒメルにお出掛けください!
国立公園三瓶山と島根県立三瓶自然館サヒメル 外観
島根県立三瓶自然館サヒメル 展示室