苫小牧市美術博物館の細矢と申します。当館の設置経緯については、前回、リアス・アーク美術館の山内さんにご説明をいただいていたので、そちらにお譲りしますが、当館は2013年にもともと博物館だった施設に美術館機能を増設したこともあり、かねてより、複合施設としての特性や場所性に特化した展示活動を実施してきました。山内さんにもご紹介いただいた展覧会シリーズ「NITTAN ART FILE」では、館内の学芸員と連携しながら、美術以外の他分野の資料を熟覧する機会を設けることで、それらを作品創作の源泉にしていただいたり、インスタレーションの一部として展示していただいたりするなど、当館ならではの領域横断的な活動によりその個性を打ち出しています。