最初期のコンピュータでチェスのプログラムが作られたように、コンピュータの歴史と歩調をあわせて発展したテレビゲーム。展覧会ではテレビゲームの歴史を一望し、社会的・文化的意味、そして未来について考えていきます。
最初にヒットしたテレビゲームは、1972年の「ポン」(Pong)。左右のラケットを上下させて白い点を打ち合うテニスのようなこのゲームから、新しいメディアとしてテレビゲームの世界が始まりました。
賑やかな会場本展最大の魅力が、実際にプレイできるゲームが多い事。展示ゲーム135点のうち、133点を楽しむ事ができます。
日本では1978年に社会現象になったスペースインベーダーをはじめ、パックマン(1980)、ゼビウス(1983)、バーチャファイター(1993)などのアーケードゲームは、筐体に入ったかたちで展示。す~ぱ~ぷよぷよ(1993、スーパーファミリーコンピューター)、太鼓の達人 特盛り!(2014、Wii U)など、家庭用ゲームのタイトルも多数揃っています。
時間を忘れて遊んでしまいますゲームタイトル以外の静物展示も266点。CPU(中央演算処理装置)は4ビットから64ビットへ、メディア(記憶媒体)はパンチカードから光ディスクへと、テクノロジーの進化と歩調あわせて、ゲームの飛躍的な発展を遂げています。
「おうちでプレイ」のコーナーには、家庭用ゲーム機がずらり。誰もが遊んだ名機から、ゲーム戦国時代で舞台から姿を消したあの機器まで、報道陣からも「あー、これあった!」の声が上がっていました。
「おうちでプレイ」のコーナー現在、子供たちに圧倒的な人気のゲーム「マインクラフト」も楽しむ事ができます。
ブロックを自由に配置して空間を作るこのゲームを使って、本展では日本科学未来館を再現。プレーヤーが館内を探検しながら、宝探しを楽しめます(先着順で当日開場時より体験整理券を配布)
マインクラフトさらに、ゲームとリアルが融合した最新プロジェクトとして、東京ゲームショウでも話題になった、PlayStation®VR(プレイステーション ヴィーアール)も展示。
VRヘッドセットをかぶる事で、プレーヤーを取り囲む3D空間が出現。まさにゲームの世界に入り込んだような体験が味わえます(先着順で当日開場時より体験整理券を配布、12歳以上のみ)。
PlayStation®VR寝る間を惜しんで遊ぶ例などから、悪い印象で捉えられる事もあるゲーム。ただ「明確なミッションの元での活動と成長」「ギリギリの挑戦をクリアした達成感」など、ゲームの世界には現実社会に転用できるヒントが数多く含まれています。
ちなみに、展示されているタイトルの半分以上は日本製。新しいムーブメントを牽引したメイドインジャパンの実力も誇らしく思えます。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2016年3月1日 ]■GAME ON~ゲームってなんでおもしろい?~ に関するツイート