「網走番外地」「八甲田山」「幸福の黄色いハンカチ」「野性の証明」「南極物語」「ブラック・レイン」「鉄道員(ぽっぽや)」…。世代によって記憶に残る作品こそ違いますが、長きにわたってファンを魅了してきた高倉健。女性はもちろんのこと、「男の中の男」といえる佇まいに、多くの男性も痺れました。
三回忌を期に行われる本展は、映画俳優としての高倉健の仕事にスポットを当てた企画です。
会場は冒頭から迫力たっぷり、壁も天井も映像で覆い尽くされています。任侠映画を中心に往年の邦画の予告編を集めたもので、刺激的な文章は「キャッチコピー」というより「煽り文句」という表現の方がはまります。邦画のパワーがストレートに響くこのコーナーは、高倉健の大ファンとしても知られる横尾忠則さんがディレクションしました。
会場3階階下に降りると、出演映画205本すべての映像が紹介されています。
高倉健は1956年、東映ニューフェイス第2期生として「電光空手打ち」でデビュー。1964年「日本俠客伝」の大ヒットで人気に火が付き、「網走番外地」「昭和残俠伝」などのシリーズで東映任俠映画を牽引します。
時代の嗜好が変わった後も「新幹線大爆破」などで好演。1976年にフリーとなり、最初に出演した「君よ憤怒の河を渉れ」は中国でも大ヒットします。その後も数々の名作に出演。1999年の「鉄道員(ぽっぽや)」は久しぶりの東映東京撮影所との仕事でした。
会場には映画に関する資料も出品。デビュー作の使用脚本をはじめ、貴重な資料が並びます。
会場2階青春映画やサラリーマン喜劇など、若かりし日の意外な映画も楽しい展覧会。すべての映像を見ると、ゆうに2時間以上かかります。
美術展では珍しく、日時指定の完全予約制。東京ステーションギャラリーの窓口ではは前売券・当日券とも販売しませんのでご注意ください(
チケットの販売方法はこちらです)。
[ 取材・撮影・文:川田千沙・古川幹夫 / 2016年11月18日 ]■高倉健 東京ステーション に関するツイート