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    レポート
    特別展「古代ギリシャ―時空を超えた旅―」
    東京国立博物館 | 東京都
    西洋文化の源泉はこちら
    エーゲ海に花開いたさまざまな文明からギリシャ本土のアルカイック期、クラシック期、アレクサンドロス大王のマケドニア、ヘレニズム時代、そしてローマ時代まで。古代ギリシャの歴史を彫刻、フレスコ画、金製品など325件で紹介する大規模なギリシャ美術展が、東京国立博物館で始まりました。
    (右)《アルテミス像》前100年頃 アテネ国立考古学博物館蔵
    (左)《女性像》末期新石器時代(前4500~前3600年) イラクリオン考古学博物館蔵
    (左から)《カマレス式杯》前1750~前1700年頃(中期ミノスⅡB期) / 《カマレス式嘴形注口水差し》前1750~前1700年頃(中期ミノスⅡB期) / 《カマレス式杯》前1750~前1700年頃(中期ミノスⅡB期) すべてイラクリオン考古学博物館蔵
    (左から)《イルカと野山羊を表わした舟形容器》前17世紀 テラ先史博物館蔵 / 《漁夫のフレスコ画》前17世紀 テラ先史博物館蔵
    (左から)《牡牛小像》前14世紀半ば(後期ヘラディックⅢA2期) メロス考古学博物館蔵 / 《子どもを抱く女性小像》前1400年頃(後期ヘラディックⅢA期) アテネ国立考古学博物館蔵 / 《リュトン》前1300~前1200年頃(後期ヘラディックⅢB期) アテネ国立考古学博物館蔵
    (右手前)《アッティカ幾何学様式アンフォラ》前850~前800年 アテネ国立考古学博物館蔵
    演劇用の仮面や、役者の小像など
    (左から)《女性小像》前3世紀後半~前2世紀初め / 《エロスを伴うアフロディテ像》前2世紀半ば / 《女性小像》前3世紀後半~前2世紀初め / 《女性小像》前3世紀後半~前2世紀初め すべてペラ考古学博物館蔵
    (左手前)《アフロディテ像》2~3世紀 アテネ考古学監督局、彫刻コレクション
    8章構成の会場、新石器時代に作られた人の形の像などから始まります。後にエーゲ海の南、クレタ島では開放的なミノス文明(クレタ文明)が開花し、各地に宮殿が建設されました。

    黒い緑泥石を彫って作られた《牛頭形リュトン》は、細部の表現も見事。宗教儀式用の祭具と思われます。

    《漁夫のフレスコ画》は前17世紀のものですが、実に鮮やか。火山が噴火して灰に埋まっていたため、良い状態が保たれました。


    第1章「古代ギリシャ世界のはじまり」、第2章「ミノス文明」

    幾何学様式時代に作られたのは、メアンダー文(雷文状の連続曲折模様)、同心円、ジグザグ文などの幾何学文が描かれた陶器など。大型の陶器は墓標になりました。

    紀元前7世紀末~前6世紀は、アルカイック時代。アルカイック・スマイルで微笑む、等身大の大理石彫刻が登場します。


    第4章「幾何学様式~アルカイック時代」

    8月5日のリオ五輪開幕も迫りますが、オリンピック発祥の地はもちろんギリシャです。オリンピアのゼウス神域で4年に一度の競技祭が始まったのは、紀元前8世紀。最初は徒競走だけでしたが次第に競技も増え、大規模な競技祭に発展しました。

    陶器などに競技種目は描かれており、拳に革ひもを巻き付けただけのボクシング、映画「ベン・ハー」でも知られる戦車競走などは、現在の感覚ではかなり危険。優勝者は大きな名誉を得る事となり、その彫像は神域に奉納されました。


    第6章「古代オリンピック」

    広大な世界帝国を築いたアレクサンドロス大王の死後、世界に広まっていったヘレニズム。ギリシア文化とオリエント文化の融合によって、リアルな肖像彫刻、官能的な女性像が数多く作られました。本展には出展されませんが、ミロのヴィーナスはヘレニズム期を代表する彫刻です。

    紀元前31年、ギリシャはローマ人に征服されますが、その美術は征服者たちも魅了しました。ローマ時代の肖像彫刻やモザイクから、ギリシャ美術の影響を見る事ができます。


    第8章「ヘレニズムとローマ」

    全325件の展示作品のうち、9割以上が日本初公開という貴重な展覧会。東京展の後は長崎、神戸に巡回します(会期と会場はこちらです)。

    [ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2016年6月20日 ]

    古代ギリシャのリアル古代ギリシャのリアル

    藤村 シシン (著)

    実業之日本社
    ¥ 1,620

    料金一般当日:1,600円
     → チケットのお求めはお出かけ前にicon


    ■東京国立博物館 古代ギリシャ に関するツイート


     
    会場
    東京国立博物館 平成館 特別展示室
    会期
    2016年6月21日(火)~9月19日(月)
    会期終了
    開館時間
    9:30~18:00
    ※総合文化展は17:00まで
    ※時期により変動あり
    いずれも入館は閉館の30分前まで
    休館日
    月曜日(上野公園) ※ただし7月18日(月・祝)、8月15日(月)、9月19日(月・祝)は開館。7月19日(火)は休館。
    住所
    東京都台東区上野公園13-9
    電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
    公式サイト http://www.greece2016-17.jp/
    料金
    一般1600円(1400円/1300円)、大学生1200円(1000円/900円)、高校生900円(700円/600円)
    中学生以下無料
    * ( )内は前売り/20名以上の団体料金
    * 障がい者とその介護者一名は無料です。入館の際に障がい者手帳などをご提示ください。
    展覧会詳細 「特別展「古代ギリシャ―時空を超えた旅―」」 詳細情報
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