20世紀最大の画家と誰もが認めるパブロ·ピカソ(1881-1973)。ピカソは、過去の芸術を吸収し、同時代の人々からインスピレーションを受けながら、常に新しく唯一無二の作品を生み出し続けました。創造力と革新性に溢れた彼の芸術は今なお私たちを魅了してやみません。
世界有数の文化施設であるイスラエル博物館(エルサレム)は、800点あまりのグラフィック作品を軸とする豊かなピカソ・コレクションを有しています。本展は、同館所蔵のピカソの作品より、精選した版画作品を中心に紹介します。油彩画、水彩画、素描、写真も織り交ぜ、パリに出た1900年頃から亡くなる3年前の1970年までの作品を年代順に展示し、青の時代、バラ色の時代を経て、キュビスム、新古典主義、さらにはシュルレアリスムへと向かう画風の変遷を追うとともに、版画における技術的実験の軌跡、そして生涯に繰り返し描いた主題とモチーフの変容をたどります。古典的な表現から抽象的形態まで、自在にスタイルを変化させるピカソの驚異の創造性と創作の過程に触れる絶好の機会です。