「サーヴ・ユアセルフ」は、アメリカ人ロック・ミュージシャンのボブ・ディランが1979年に発表した曲「ガッタ・サーヴ・サムバディ(Gotta Serve Somebody)」への返答歌として作られました。
ジョンは、ボブが1963年にアルバム『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』を発表した頃から彼の作品に関心をもち、1964年5月にボブがイギリス・ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールにてコンサートを行った際には、彼の楽屋に電報を打って機会があれば会いたいと伝えています。同年8月に初対面を果たした二人は、1965年には互いを訪問して親交を深めました。また、同年ジョンが発表した曲「イッツ・オンリー・ラヴ(It's Only Love)」の作詞原稿はボブの曲「ラモーナ(To Ramona)」の楽譜の裏面に書かれており、ジョンがボブの作品に大きな関心をもっていたことがわかります。
アメリカ・ニューヨークに移り住んだジョンは1976年永住権を獲得し、息子ショーンの誕生とともに音楽活動を休止して主夫生活を送っていましたが、1980年再び活動を始めようとした際、ボブのグラミー賞に選ばれた「ガッタ・サーヴ・サムバディ」に再び触発されて作ったのが「サーヴ・ユアセルフ」でした。
今回ジョン直筆の「サーヴ・ユアセルフ」と、併せて「イッツ・オンリー・ラブ」の作詞原稿も展示し、ジョン・レノンがいかにボブ・ディランに影響を受けていったかについて解説します。