今回の展示では、三重県埋蔵文化財センターが保管する考古資料の中で、令和5年度に報告書が刊行された多気北畠氏遺跡、岡遺跡、下平大野A遺跡、石谷1号墳、津城跡等から出土した遺物を中心に展示します。
1)多気北畠氏遺跡(たげきたばたけしいせき)(津市美杉町下多気)
室町時代に伊勢国司を務めた北畠氏に関わる遺跡として有名です。令和3年度の調査では、縄文時代草創期から早期の遺物が多量に出土し、注目されました。出土した縄文土器、石鏃(せきぞく)や石錐(せきすい)等の石器を中心に展示します。
2)岡遺跡(おかいせき)(津市白山町二本木)
雲出川支流である大村川左岸の段丘上に立地する遺跡です。縄文時代や、平安時代から室町時代にかけての遺物が出土しました。出土した縄文土器や石器等を展示します。
3)下平大野A遺跡(しもひらおおのAいせき)(いなべ市北勢町下平)
田切川(たぎりがわ)によって形成された河岸段丘上に立地する遺跡です。縄文時代早期の建物1棟や室町時代頃の溝で囲った墓1基等が確認されました。出土した縄文時代の石器を展示します。また、室町時代頃の墓については写真パネルにて解説します。
4)石谷1号墳(いしだに1ごうふん)(伊賀市中村)
伊賀市東部の山の斜面に立地する円墳です。令和3年度の調査では、横穴式石室が発掘調査され、石室内から須恵器等の土器類、鉄刀や馬具等の鉄製品、装身具である耳環(じかん)等が出土しました。このうち、須恵器の杯や壺、馬具等を展示します。
5)津城跡(津市中央)
津城は、藤堂藩(安濃津藩)32万石を領する藤堂氏の居城として築かれた江戸時代の城郭です。令和4年度に行われた発掘調査では、上級家臣の屋敷地があった二之丸部分が対象となり、井戸や水琴窟(すいきんくつ)等が確認されました。出土した陶磁器や土人形、瓦等を展示します。特に、「安東」や「阿漕」等の文字が刻印された陶器は江戸時代の津における焼物生産を考える上で注目されます。