《虎の絵が描かれた千人針》
千人針とは、出征兵士のために白いさらし布に赤糸でひとりひと針ずつ、千人の女性が結び目をつけたものです。腹巻きなどにして身につけていると敵の弾に当たらないという縁起をかついでおり、「虎は強く千里を走り早くもどってくる」といわれたことから、特に寅年生まれの女性は年齢の数だけ結び目をつけることができました。この千人針は、無事に帰ってきてほしいという願いをこめて、結び目で虎の絵がつくられています。また、大阪の天王寺動物園には、出征兵士のために虎の毛を求める人々がいたという記録も残っています。
担当者からのコメント
ピースおおさかでは、開館30周年記念特別展「どうぶつのいのちとへいわ ~戦時下の天王寺動物園とこれからの未来~」を、2022年3月30日(水)まで期間延長して開催しています。天王寺動物園の歴史を背景に、過去の悲劇、そして現在の動物を取り巻く環境と野生動物を守るために行われている動物園の取り組みなども紹介しています。千人針の他にもさまざまな資料を展示していますので、ぜひご来館ください。