会場はテーマ別の10章構成。名場面の数々を万華鏡に見立てて映像で表現する「カレイドスコープシアター」からスタートします。
現在のマーガレットが「週刊マーガレット」として創刊されたのは、1963年4月。先行する「少女フレンド」(講談社)への対抗からか、創刊号はなんと無料で配布されました。同年末には「別冊マーガレット」も誕生。創刊から1970年頃までに、わたなべまさこ「ガラスの城」、水野英子「白いトロイカ」などの傑作が生まれています。
会場には創刊号の二誌をはじめ、当時の原画がずらり。60年代の週刊マーガレットでおこなわれていた顕彰企画「あなたがつくる夢のおへや」から再現した部屋も展示されています。
会場入口から、第1章「マーガレット・別冊マーガレットの誕生」
少女まんが誌でも人気があった、スポーツ。マーガレットでも、多くの名作が生まれています。
浦野千賀子「アタックNo.1」や山本鈴美香「エースをねらえ!」は、映像作品も大ヒット。会場ではアニメの名シーンも紹介されています。
第2章「スポ根少女から、踊るヒロインまで ~ 汗、涙、美のドラマ ~」
全10章の中で、ひとりの作家を取り上げた章がふたつあります。
ひとつ目が、第5章「孤高の表現者・紡木たくの世界」。少年と少女の繊細な心情を独特の表現で描いた「ホットロード」は、80年代の「別マ」を代表する名作。連載から四半世紀を過ぎた本年、ついに実写映画化。会場では映画についても紹介されています。
もうひとつは、第8章「池田理代子の華麗なる世界」。「ベルサイユのばら」は世代や性別を超えて愛される、少女まんがの記念碑。会場には宝塚の舞台衣装のほか、オスカルとアンドレの等身大立像も登場。ここは写真撮影も可能です。
第5章「孤高の表現者・紡木たくの世界」と、第8章「池田理代子の華麗なる世界」
少女まんがの定番のジャンルのひとつが、学園モノ。読者たちと同じ目線のため感情移入しやすいためか、多くのヒット作が生まれています。
ここでは、少女まんが歴代1位単行本総売上数(6,100万部)を誇る神尾葉子「花より男子」や、連載中で現役読者の人気も高い咲坂伊緒「アオハライド」などが紹介されます。
第9章「舞台は学園!! ~ 恋も友情もいつもここから ~」
会場出口にはオリジナルグッズを販売する「50tn アニバーサリー SHOP」も。ポストカードやクリアファイルなどの定番から、名セリフをアレンジした絆創膏やプリントクッキーなどの面白グッズまで。一部は公式サイトでも紹介されています。
オリジナルグッズを販売する「50tn アニバーサリー SHOP」
半世紀にわたって少女の心を捉えてきた名作の数々、会期は約1カ月と短めです。少女も、元・少女も、もちろん男性もお楽しみください。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2014年9月19日 ]
(c)池田理代子プロダクション