AFKの顔ともいえるYotta《花子》 音羽山 清水寺 西門前
今年7回目となる「ARTISTS’ FAIR KYOTO」が3月1日から開催します。
今回、メイン会場のひとつが京都国立博物館 明治古都館に。また市内各地のサテライトでの展示やシンポジウムの開催など京都市全体でフェアを盛り上げます。では各会場を紹介しましょう。
京都国立博物館 明治古都館
マイナビ ART AWRAD 優秀賞を受賞した遠藤文香さんの作品
会場風景
取材日は2月29日。特別内覧会で会場はすでに熱気に包まれています。重要文化財である明治古都館に若い作家33組の作品がぎっしりと展示されています。そしてこのフェアの醍醐味である作家自身が観客を迎え作品について話を聞けるのは、とても貴重な機会。
来場者は気になる作家や初めて見た作家に積極的に話しかけ、会話を楽しみ、また作品の購入を検討しています。関西をはじめ東京、北海道、または海外から出展している作家もいて、このフェアの広がりを肌で感じることもできました。
公募出品の森山佐紀さんの漆の作品
メイン会場のひとつ京都国立博物館 明治古都館
京都新聞ビル 地下1階
毎回、この場所に足を踏み入れるのが楽しみな京都新聞 ビル地下一階。今回もメイン会場の1つです。そして会場の独特な空気に決して呑み込まれることのない作品群(11組の作家による)が待ち構えています。
マイナビ ART AWRAD 最優秀賞を受賞した志賀耕太さんの作品
出展作品の中から選ばれる「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2024 マイナビ ART AWRAD」の最優秀賞を受賞した志賀耕太さんの作品がこの会場で見ることができます。この賞において初の審査員満票での受賞作品とのこと。インパクトある作品の奥に作家の意図したこと、この作品に行きついた過程などじっくり考えてみたくなります。
この展示会場を意識して制作されたインスタレーションは劉李杰(Liu Lijie)さんによるもの
音羽山 清水寺 アドバイザリーボード展
やんツー《不可視の知のためのスケッチ》2024
昨年に引き続き清水寺に16組のアドバイザリーボード(ディレクター椿昇を含め)が登場。ヤノベケンジやYotta、加藤泉の作品の前で観光客も大いに撮影を楽しんでいます。経堂には田村友一郎、成就院にはやなぎみわや鬼頭健吾、ボスコ・ソディなどの作品が展示されています。
品川美香さんの作品 (京都国立博物館にて)
ディレクターの椿昇さんは、まだまだやらなければいけないことがあると断言します。7回という回数を迎えても、このフェアが目指す未来に向けてやっと卵が割れようとしている程度だと言います。アートという言葉を前よりは見かける機会が増えた気はするものの作家を取り巻く環境はまだまだ発展途上です。
これからの美術界を引っ張っていく有望な作家たちの作品には鑑賞者の気持ちを押してくれるような勢いがあります。このフェアはアート界を膨らますポンプのような役割があるのかもしれません。フェアを通して、アート界に少しでも熱い空気を吹き込めたなら。鑑賞者自身にできることは何か、そんなことをも考えてさせてくれるのでした。
注目の作家 松元悠さんの作品。マイナビ ART AWRAD 優秀賞を受賞。
天井近くまでの景色は圧巻 岡本ビショワビクラムグルンさんのコーナー
[ 取材・撮影・文:カワタユカリ / 2024年2月29日 ]
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