日本科学未来館の第2代館長に就任した浅川智恵子氏
日本科学未来館は第2代館長にIBMフェローの浅川智恵子氏が就任、2021年8月25日(火)、記者説明会が開催された。
浅川氏は1958年、大阪府豊中市生まれの62歳。小学校時代にプールでの怪我がもとで視力が衰え始め、中学2年生の時に失明した。
1985年に日本アイ・ビー・エム株式会社に入社し、アクセシビリティの研究開発に従事。1997年には世界初の実用的な音声ブラウザ「ホームページ・リーダー」を開発、2009年に日本IBMでは史上3人目となるIBMフェローに就任した。
2014年秋よりIBMフェロー兼カーネギーメロン大学客員教授として米国に赴任している。
説明会で浅川新館長は「未来館館長就任の話が来た時は、正直、悩んだ」としながらも、「SDGsの理念である『誰一人取り残さない』社会の実現に向けて、未来館という多くの人と繋がりがある施設が出来る事は多いのではないか」という思いから、就任を決意したと語った。
この日は、浅川氏自身が開発を手掛け、未来館においても実装を目指している「AI スーツケース」も公開。
カメラが搭載された視覚障害者のためのナビゲーションロボットで、行きたい場所へ案内してくれるだけでなく、周辺の状況も教えてくれる。
なお、日本科学未来館は、2001年の開館時より宇宙飛行士の毛利衛氏が館長を務めていたが、今年4月に第2代館長として浅川氏が就任。浅川氏はコロナ禍の影響で米国からの帰国が遅れていたため、この日の記者説明会となった。