小泉八雲について
小泉八雲記念館
「耳なし芳一」などで知られる小泉八雲は、誰もがその名を知っています。
しかしどんな生涯を送ったのか、真の姿を知る人は少ないかもしれません。
八雲は世界を旅し、日本を訪れました。島根の松江は日本で初めて英語教師として赴任した場所です。文学者だけではない八雲に出会える、小泉八雲記念館の常設展と企画展を紹介します。
旅する人生
記念館には、八雲の愛用品、初版本などが所蔵され、約200点が展示されています。2016年にリニューアルオープンしました。
展示室1 展示風景
展示室1は八雲の生涯を、年を追って紹介しています。
訪れた国々での様子や遺品から、在りし日の姿が浮かびます。
松江では伴侶となるセツと出会い、松江の風土、文化に触れ、フィールドワークもしました。
古き良き日本に触れ、怪談話の再話など愛する松江を物語にしていきます。
展示室1 展示風景
ところが、松江の寒さに耐えられず、1年3か月でまた旅にでます。
熊本、神戸、東京と住まいを変えました。
八雲の人生は、放浪の連続でした。
イギリス、フランス、アメリカ、カリブ海の島、日本・・・それらの旅を通して「どこでどんな暮らしをしていても人は平等」という理念を持ったのでは、と感じました。
凹凸の展示壁面は、平坦ではない八雲の生涯を表しているようです。
開かれた精神
展示室2 展示風景
展示室2は、八雲の事績や思考の特色を展示するような試みです。
八雲のオープンマインドの精神や、思考の広がりが感じられます。
虫籠
八雲は「虫を真に愛する人種は、日本人と古代ギリシャ人だけである」と語りました。
セツは毎年、八雲のためにいろいろな虫を飼っていました。
虫の鳴き声に耳を傾け、作品に取り入れたのは、セツの影響も大きかったはず。
文学に留まらない多面性
展示室3 展示風景
民俗学が確立する前から、八雲はこの分野の草分けといえる存在です。
日本の民衆の伝統的なくらしや怪談を五感を駆使して探っていく手法は、民俗学者そのものといえます。
また、虫を好んだ眼差しは、平等の思想に影響を与えたようにも思います。
ジャーナリストとして医学や人権にも強い関心を寄せていました。
科学、宗教、宇宙、進化、哲学など、さまざまな分野を横断した八雲の奥深さが感じとれます。
ハーンを慕った2人のアメリカ人
展示室3 展示風景
現在、第3展示室では、企画展が行われ、ハーンの友人、エリザベス・ビスランドと、米国人将校ボナー・フェラーズを紹介。
展示室3 展示風景
マッカーサーの側近だったボナー・フェラーズは、八雲の著作を愛読し、日本をよく理解していました。その知識を生かして、戦後日本に貢献した人物と言われています。
ハーンの日本文化理解に深く共感し、象徴天皇制の端緒を切り開きました。
今、令和を迎えることができた、影の立役者といえるかもしれません。
八雲を多角的にとらえる
ライブラリー
2階には関連書籍がそろっています。八雲のことが気になったらすぐに手にできます。
鎮守の守散策コース
セツと散策した小道も近くにあります。八雲が五感で感じた日本。展示と重ね合わせて歩くのもお勧めです。
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