科博にガチゴラスの骨格標本!?
「古生物とポケモン」をテーマに、観察や比較を通じて古生物学を楽しむ学ぶというユニークな展覧会が、国立科学博物館で開催中です。
日本館1階中央ホール 手前はぼうくんポケモン「ガチゴラス」の骨格想像模型、奥は「タルボサウルス・バタール」
展覧会は、三笠市立博物館の相場大佑さんによる発案。ポケモン好きだった相場少年は、ポケモンに姿が似ている植物や動物を図鑑で探していた体験が、今の科学者としての自身の原点になっており、そのようなきっかけの場所を博物館につくりたいと、株式会社ポケモンに直接企画を持ち込んで実現しました。
2021年夏の三笠市立博物館での開催を皮切りに全国を巡回。3館目として、いよいよ東京の国立科学博物館で開催されています。
展示室入口
会場では、ポケモンの世界の「かせき研究」と私たちの世界の古生物学を、比べるようにして展示しています。
たとえば「かせき研究」は、ポケモンの世界では「かいのカセキ」を復元マシンに入れてオムナイトが誕生。古生物学ではハンマーやルーペを使って発掘、クリーニング作業を経て、どんな生き物だったのか推測していきます。
ポケモンの世界の「かせき研究」
古生物学での「かせき研究」
ポケモン世界の「しんか」で、カブトはカブトプスになります。同一個体で起こるので、私たちの世界でいう成長に近い現象です。
私たちの世界の「進化」は、集団レベルで何世代にもわたる長い時間を経ておこる現象。魚が両生類になって陸に上がるまでには、個体が少しずつ変わっていく必要があります。
「しんか」と「進化」
ポケモンの世界で続々と新しいポケモンが発見されているように、私たちの世界でも新種の生物や絶滅した古生物などが日々見つかっています。
観察と比較は、科学の基礎。どんなに偉大な発見でも、その根底には必ず丹念な観察と比較があります。楽しい切り口の展覧会で、観察と比較に興味を持つ子どもたちが増えれば何よりです。
中央は「トリデプス」骨格イメージ
展覧会のオフィシャルショップは、日本館2階の講堂にオープン。
カウボーイハットをかぶった「発掘ピカチュウ」のぬいぐるみなど、多数のオリジナルグッズが用意されています。
ポケモン化石博物館グッズコーナー
国立科学博物館の常設展示にもたくさんの化石が展示されています。うずまきポケモンの「オムナイト」に似たアンモナイト、ぼうくんポケモンの「ガチゴラス」に似たティラノサウルスなど、迫力満点。本展にあわせて、特別解説パネルが9点用意されていますので、会場で探しながらお楽しみください。
[ 取材・撮影・文:古川幹夫 / 2022年3月14日 ]
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