• TOP
  • レポート
  • パナソニック 汐留ミュージアム「子どものための建築と空間展」
読者
レポート
パナソニック 汐留ミュージアム「子どものための建築と空間展」
パナソニック汐留美術館 | 東京都

パナソニック 汐留ミュージアム「子どものための建築と空間展」

文 [エリアレポーター]コロコロ / 2019年1月11日


「子ども」をテーマにした展覧会は、建築やデザインだけに、絞ったものが主でした。
今回は、美術、ランドスケープ、図書館、工芸、家具デザインなど総合的に紹介され今までにない試みです。
建築は興味が分かれそうですが、子供の教育や遊び、学制や浮世絵など、間口は広いのが特徴。展示壁面も工夫があり見どころの一つです。

初挑戦 曲面の壁面

会場を一巡して、いつもと違うというのが第一印象でした。
しかし、それが何によるものかわかりません。
企画の担当、大村理恵子学芸員の解説で納得しました。
「ありえない曲面の壁にチャレンジした」のだそうです。



展示は時系列で、明治から現在に至る時代ごとに、代表する建築家たちの作品を紹介。
太田浩史氏の協力を得て、時代を色分けし「曲面」の壁で構成しました。

会場が狭くギュウギュウ詰めなので、巡回する青森県立美術館で見た方が、美しいかもしれないと自嘲ぎみにおっしゃっていました。
しかし、このコンパクト感は、子どもの頃、狭い路地をすり抜けて走り回った感覚を思い出されました。子どもの目線を体感しているようです。
青森県立美術館の広い会場の展示と比べてみたいと思いました。



訪れた場所が興味を誘う

テーマは「子ども」と「建築」ですが、かつて旅行で訪れた場所が、フックとなってメインテーマへと導かれました。
その一つが旧開智学校、そしてイサムノグチの関連の施設です。

▼旧開智学校


1876年に建築された旧開智学校は、長野の旅行でぶらりと訪れた場所です。
椅子と机があり、教壇で先生が授業を行う懐かしい授業風景。
しかし当たり前に思っていた授業が、教育改革によるものだったという衝撃は、鮮明に記憶に残っています。

寺小屋教育から明治に入り、大改革によってもたらされたスタイル。
勉強の場として校舎が必要となり、西洋と日本がミックスした擬洋風建築の代表です。
通常は展示されていない貴重な図面は必見です。

▼モエレ沼公園


彫刻家イサム・ノグチが最晩年に手掛けたランドスケープ作品。
イサム・ノグチ庭園美術館近くの公園で見た思い出の遊具が目にとまりました。
このマスタープランの図面もまた、今回、初めて展覧会に出品された貴重なものです。




イサム・ノグチは、1950年代から子どもの遊び場に取り組みました。
右の青焼は彼が設計した子どもの国の図面です。
ここがモデルとなり、全国に子どもの国が広がりました。



紫のエリアは、第3章1950-1970万博までの時代です。
ちなみにこの壁は、会場の中で一番、Rがきつい壁面だそうです。

フランスの美術史家が絶賛する美術館

ソフィー・リチャード氏が『フランス人がときめいた日本の美術館』中で、この美術館は、入念な調査のもと、企画の度に徹底的な模様替えを行っていると語っています。
入った瞬間に感じた何かとつながりました。

建築がテーマの展覧会。展示壁面も建築的に構成されていて、一つの見せ場になっています。
ぜひ着目してほしいポイントです。


会場パナソニック 汐留ミュージアム
開催期間2019年1月12日(土)~2019年3月24日(日)
休館日水曜日
開館時間10:00~18:00(入館は17:30まで)
所在地東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
03-5777-8600(ハローダイヤル)
HP : https://panasonic.co.jp/es/museum/
料金一般 800円、65歳以上 700円、大学生 600円、中・高校生 400円、小学生以下は無料
展覧会詳細へ 「子どものための建築と空間展」 詳細情報
エリアレポーターのご紹介
コロコロ コロコロ
美術鑑賞から、いろいろなモノの見方を発見させられます。作品から広がる世界や着眼点を提示できたらと思っています。理系の目で鑑賞したら、そんな見方も提示できたらと思っています。こちらでネタを集めています。コロコロのアート見て歩記&調べ歩記録

エリアレポーター募集中!
あなたの目線でミュージアムや展覧会をレポートしてみませんか?
エリアレポーター募集中!
あなたの目線でミュージアムや展覧会をレポートしてみませんか?
会場
パナソニック汐留美術館
会期
2019年1月12日(土)〜3月24日(日)
会期終了
開館時間
10:00~18:00(入館は17:30まで)
休館日
水曜日
住所
〒105-8301 東京都港区東新橋1-5-1  パナソニック東京汐留ビル4階
電話 050-5541-8600(ハローダイヤル)
公式サイト https://panasonic.co.jp/es/museum/
料金
一般 800円 / 65歳以上 700円 / 大学生 600円 / 中・高校生 400円 / 小学生以下 無料

※20名以上の団体は100円割引
※障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料でご入館いただけます
展覧会詳細 「子どものための建築と空間展」 詳細情報
おすすめレポート
学芸員募集
明石市立文化博物館 学芸員募集中! [明石市立文化博物館]
兵庫県
芦屋市立美術博物館 学芸員(歴史・教育担当)募集中! [芦屋市立美術博物館]
兵庫県
【新卒/経験者OK】都内環境啓発施設、常勤スタッフ(コーディネーター)募集中! [武蔵野市環境啓発施設「むさしのエコreゾート」、エコギャラリー新宿(新宿区立環境学習情報センター・区民ギャラリー) など]
東京都
公益財団法人日本博物館協会 事業部門マネージャーの募集 [公益財団法人日本博物館協会]
東京都
京都国立近代美術館 研究補佐員(学芸課)公募 [京都国立近代美術館]
京都府
展覧会ランキング
1
神戸市立博物館 | 兵庫県
大ゴッホ展 夜のカフェテラス
開催まであと190日
2025年9月20日(土)〜2026年2月1日(日)
2
東京ステーションギャラリー | 東京都
生誕120年 宮脇綾子の芸術 見た、切った、貼った
もうすぐ終了[あと2日]
2025年1月25日(土)〜3月16日(日)
3
国立西洋美術館 | 東京都
西洋絵画、どこから見るか?―ルネサンスから印象派まで
開催中[あと86日]
2025年3月11日(火)〜6月8日(日)
4
東京都美術館 | 東京都
ミロ展
開催中[あと114日]
2025年3月1日(土)〜7月6日(日)
5
ラムセス・ミュージアム at CREVIA BASE Tokyo(豊洲) | 東京都
ACN ラムセス大王展 ファラオたちの黄金
開催中[あと177日]
2025年3月8日(土)〜9月7日(日)