イスラエル博物館所蔵の作品69点が一堂に!
あべのハルカス美術館で、1/28から4/3まで「イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜ーモネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン」が開催されています。
イスラエル博物館というのは、あまり聞きなじみのない博物館ですが、古代から現代にいたる約50万点を所蔵している、エルサレムにある博物館です。
特に、印象派コレクションで知られており、その中の選りすぐりの69点が展示されます。そのうち59点が初来日作品ということなので、印象派ファンならずとも見てみたいですね。
今展覧会は、日本イスラエル外交関係樹立70周年を記念したもので、この困難なときに、イスラエルからこれだけの作品が来ることの奇跡を堪能したいです。
印象派ー日本でとりわけ人気が高い印象派!
アトリエにこもって絵を描いていた画家たちは、戸外に出て、刻々と変わる光のなかでうつろう自然を描き始めました。
印象派が描く、揺れる光、うつろう自然・・・いかにも日本人は好きです。そんな印象派、その前後のバルビゾン派からナビ派まで「光」に注目した作品展示です。
ポール・セザンヌ:川のそばのカントリーハウス
モネは、生涯に睡蓮の絵を約250枚描いたと言われています。そのなかでも1909年の個展に出展された1枚を間近に見ることができます。水面に反射する空や雲が魅せられます。
クロード・モネ:睡蓮の池
「光の系譜」というサブタイトルが意味するもの
ピサロが描く夕景は、淡い青空に夕日の黄金色の光、そして樹々の鮮やかな色とのコントラストが印象的な一枚です。エラニー=シュル=エプトの風が吹き抜けます。
カミーユ・ピサロ:エラニーの日没
ゴーガンは、南の島タヒチで先住民を好んで描きました。ここに描かれる燃え上がる炎とシルエットで描かれる人物たちは、日本人にもノスタルジーを感じさせます。今展覧会では、ゴーガンの4作品のうち、2作品が日本初公開です。
ポール・ゴーガン:ウパ ウパ(炎の踊り)
ルノワールやゴッホの新しい魅力
ルノワールが描く女性の肖像画は、「熟れた果実のようにみずみずしい」ですが、ここに展示されている花瓶にいけられた薔薇の花も、同様に美しさにあふれています。
ピエール=オーギュスト・ルノワール:花瓶にいけられた薔薇
ゴッホ35歳の夏、南仏プロヴァンスで描かれた農村の収穫風景は、夏の風が吹き渡る青空、穀物の香りをはらむ風、明るく照り返す光そのものを、見るものも画家と一緒に感じることができます。
フィンセント・ファン・ゴッホ:プロヴァンスの収穫期
レッサー・ユリィに注目!
今展覧会で注目を集めているのが、ユダヤ系の画家レッサー・ユリィです。東京店で大ブレイク!彼が描く都市の風景に人気が集まっています。
レッサー・ユリィ
これらの作品は、いずれも撮影可です。今展覧会では、一部の作品の横に、カメラマークが表示されていて、それらは撮影が可能です。
クロード・モネ:睡蓮の池
モネの「睡蓮の池」も撮影可能です!
会場の工夫も楽しんで!
今回の展覧会は、4章仕立てになっています。それぞれのテーマに合わせて、床の色が変化します。
1章:水の風景と反映→ブルー
2章:自然と人のいる風景→グリーン
3章:都市の情景:オレンジ
4章:人物と生物:ピンク
床と壁、そして主役の絵がベストマッチです。そんな工夫もお楽しみください。
[ 取材・撮影・文:atsuko.s / 2022年1月27日 ]
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