甲斐黄金村・湯之奥金山博物館をたずねて (2)
甲斐黄金村・湯之奥金山博物館 外観
では、早速「甲斐黄金村・湯之奥金山博物館」をご紹介しましょう。
戦国最強の武田氏を支えた甲斐金山。湯之奥金山は甲斐金山を代表する存在で、館内では中世戦国期金山の鉱山作業を分かりやすく紹介しています。
山梨県の下部温泉郷の入口に建つミュージアム。中に入るとドラマチックな構成で、まずは「金山への路」の坂を上ります。
「金山への路」
上階に上がると、まずは映像シアターです。120インチの大型スクリーンで、黄金をテーマにした映像を見てからお進みください。
「映像シアター 黄金の山波」
「夢幻回廊」を進むと「黄金の郷 湯之奥」のジオラマが見えてきます。湯之奥・中山金山での戦国時代最盛期の鉱山作業や、毛無山山中の中腹に村を作って暮らした金山衆(かなやましゅう)の様子が、ストーリー映像も含めて解説されます。
「黄金の郷 湯之奥」のジオラマ
その前に展示されているのは「甲州露壱両判」。甲州金は甲金とも呼ばれ、武田氏の時代から江戸時代にかけて、甲斐国で使われていた金貨です。
甲州金の貨幣制度は四進法で、金1両の4分の1が1分、1分の4分の1が1朱、1朱の4分の1が糸目。これは、江戸幕府の貨幣制度の参考にもなりました。
「甲州露壱両判」
常設展示室では、鉱山の歴史や道具などが紹介されています。毛無山の山腹にある中山金山、内山金山、茅小屋金山と、三つの金山の総称が湯之奥金山です。
戦国時代には金・銀山の開発は各地域で活発に行われました。
常設展示室
興味深いのが、金山衆をはじめ、金山に暮らす人々の生活の様子がわかる発掘遺物。茶碗や碁石などが見つかっており、上層の人々は茶壷や天目茶碗を用いて茶の湯に親しみ、余暇には囲碁を楽しむなど、文化的な生活を営んでいたことがわかります。
発掘された天目茶碗など